食べるだけで痩せる!?DIT(食事誘導性体熱産生)ってなに?
一日に消費されるエネルギーには、大きく分けて3つあります。
前回お話した基礎代謝と、日常の運動で消費される身体活動、
そして最後に、今回お話しするDITです。
初めて聞く方も、なんとなく知っている方にも、わかりやすくご説明します!
代謝シリーズ
食事をすることで消費されるエネルギー
DITとは、食事誘導性体熱産生(Diet Induced Thermogenesis)のことです。
食事の時に消費されるエネルギーのことを、食事誘導性体熱産生といいます。
食事をすると、エネルギーが体内に取り込まれますが、エネルギーの消費もされます。
よく、体調が悪い時や風邪をひいたときに、お粥などの消化のいいものを食べると思いますが、
それは、食事をとることで消費されてしまうエネルギーを少しでも減らし、体調を整えることにエネルギーを使うための工夫です。
他にも、食事をすることで、身体が温まったり、汗をかくことがあると思います。
これも、DITによるものです。
このように、食事をして、内臓が動くことで消費されるエネルギーのことを、DIT(食事誘導性体熱産生)といいます。
このDITは、一日に消費される総エネルギーのうち、約1割を占めています。
たんぱく質をしっかりとろう
食事をすることで消費されるエネルギーは、体内に取り込まれた栄養素によって異なります。
たんぱく質のみを摂取した時は摂取エネルギーの約30%、糖質のみで約6%、脂質のみで約4%です。
普通は、これらの栄養素を一緒に摂取するので、約10%程度になります。
このことからわかるのは、
1・ごはんだけ、パンだけという食事ではなく、たんぱく質もしっかりと摂ることで、DITが高くなります。
2・一日に2000kcalの食事を摂取している人は、食事だけで、200kcal消費していることになります。
これは、男性が25分ジョギングをすると消費されるエネルギーをほぼ同じです。
運動することで筋肉がついたり、リフレッシュにもなりますから、カロリー数が同じだけで一概に比べられないですが、
食事をとるだけで消費されるエネルギーがあるなら、より効果的に利用していきたいですね。
よく噛んで食べなさい、は正しかった!
よく噛んで食べると、飲み込んで食べたり、流動食を食べるよりDITが高くなると言われています。
流動食は、胃などに負担のかからない食事です。冒頭にお話した、体調の悪い時にお粥を食べることを考えると納得ですね。
よく噛むことで、交感神経が刺激されて、消費エネルギーが増えるそうです。
夜食が太りやすいのはDITの影響
一日に三回食事をとる方が多いと思いますが、食事をする時間が、DITに影響するという研究結果が出ています。
朝型(7時、13時、19時)に食事をする時と、夜型(13時、19時、1時)に食事をする時でDITの値に差があるのか調べた研究があります。
この研究では、一回目と三回目の食事では、朝型の時の方がDITの値が高いことがわかりました。(二回目の食事に大きな差は見られなかったとのこと。)
※こちらは、最新号の表紙です。(2017年10月現在)
参考:日本栄養・食糧学会誌 第63巻 第3号
つまり、ダイエットや身体づくりのためには、朝は早起きして、しかるべき時間に食事をし、夜は遅くない時間に食事を終わらせて、さっさと寝て(!)夜食をとらない・・・こんな生活が理想ということですね。
代謝にもDITにも筋肉は重要
筋肉を増やすと、DITが増加すると言われています。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、加齢や運動不足により筋肉が衰えると、基礎代謝だけではなく、DITも低下するとのこと。
筋力は代謝にも影響することがわかっていますが、消化エネルギー(DIT)にも影響があるのです。
いかがでしたか? 食べるだけで痩せられるなんて画期的!と思いましたが、
結局は、よく噛んで食べる、早寝早起き、夜食なし、筋トレを含む運動をする・・・とごく当たり前な(でも難しい!)なことが大切だったんですね。
次回は、FODMAP食について解説します!
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